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防音室というと、音を外に漏らさないように遮音ばかりに気が取られがちです。しかし、ピアノを演奏する空間としては、さらに室内音響を整えることも同時に重要です。フラッターエコー(有害な反射音)やブーミング(低音が尾を引く様に響く状態)をつくらない部屋の形状設計と反射面・吸音面・拡散面の適切なバランスは配置により、ピアノの音色を最大限に発揮できる室内音響をつくることができます。
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さらに私たちはピアノ室の計画にあたって、空間創りも重要と考えます。遮音性能が良くても、室内音響が整っていても、演奏を楽しむ部屋としての快適さがなければ、演奏のモチベーションを下げることになってしまいます。私たちは、照明配置・採光計画・仕上げ材の仕様等、トータル的に快適な空間を追求。お客様に最適なピアノ室づくりをお手伝いいたします。
假屋崎省吾邸 ピアノのある部屋
地下にある吹抜け多目的大ホールは、多くの反響音が発生し、しかも残響も長い空間でした。友伸では、デザインを含めた音響設計を行い、吸音材、反響材を適材適所に採用し、音のバランスを整える音調工事を行いました。かつてのホールとは次元の異なる、ピアノの音がクリアに響き渡る空間となりました。
ピアノ教室 in 小金井
6畳の中央部に3畳用のボックス型組み立て防音室を設置し、スタンウェイのグランドピアノがスペースいっぱいに入っていました。しかし長時間生徒さんに教えていると、この狭い組立防音室ではお互い気が滅入ってほぼ限界に。6畳全体をピアノ教室用として防音にしました。
教室床面積/約12㎡(約7帖) 教室内装工費/220万円~ 木造2階建て1階改修工事
ピアノ練習室 in 中野
木造の新築工事の際、3階の一部につくった3.3畳のピアノ練習室です。遮音に不利な構造の木造で、しかも3階部分なので重量にも制限があり、下地材には鉛ボードで覆いました。仕上げとして吸音材に布クロスを貼り、残響時間は抑えめに。当初は既成の組立防音室を検討されていたものの、狭くてリラックスできないのではと思い切って練習室をオーダー。床面積は小さくても開放的な天井の高さと、ふつうの部屋と変わらない仕上がりに大満足だとか。閑静な住宅街、隣室は寝室ですが、まったく音漏れを気にすることなくピアノを弾くことができます。
練習室床面積/約5.4㎡(3.3帖) 練習室内装工費/150万円~ 木造3階新築工事
ピアノ教室in 荻窪
複数のピアノを同時に演奏してもそれぞれのピアノの音を明確に聴き分けられるよう、天井に勾配をつけて音が濁る原因となるフラッターエコーなどの音響障害を抑制する設計しました。16畳と広い部屋は楽器の配置を自由にできるように、ベース照明に加え自由に照明を取り付けることができる配線ダクトを多く採用。楽譜や手元を明るく照らすことができるようにしました。
教室床面積/約20㎡(約12帖) 教室内装工費/280万円~ 木造2階建て2階改修工事
工事費目安
基本的にお客様のご要望に応じてオーダー防音室をご提案いたしますが、RCマンションにて一般的な時間帯でピアノ演奏をしてクレームが生じない遮音レベルの目安プランです。遮音構造は躯体に振動音を伝達抑制させるボックスinボックス工法を採用し、仕上げ材に量産流通品を使用することで低価格を実現させております。室内環境は弊社オリジナル吸音パネルを設置し残響時間を調整しております。
遮音構造 | 仕上げ | |
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床 | 乾式積層浮き床 | タイルカーペット ソフト巾木 |
壁 | 自立浮き遮音壁 | ビニールクロス |
天井 | 防振吊り天井 | 化粧岩綿吸音板 |
建具 | 木製防音ドア(D-30) 1箇所 | |
窓 | インナーサッシ 1箇所 | |
電気設備 | ベース照明用シーリング 1箇所 コンセント 3箇所 スイッチ 1箇所 | |
換気設備 | ロスナイ換気扇 1台 | |
消防設備 | 乾式煙火災報知器 1箇所 | |
音調工事 | オリジナル壁掛吸音パネル 4枚 |
6畳(約10㎡) | 8畳(約13.2㎡) | 10畳(約16.5㎡) | |
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アドバンスプラン | 200万円〜 | 225万円〜 | 250万円〜 |
フリーオーダープラン | 240万円〜 | 255万円〜 | 270万円〜 |
※解体工事費・空調設備・照明器具等は含みません。※RC構造の工事費目安ですので、その他建物の構造、階数、地域環境等の諸条件により金額が変動いたします。